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西澤会長の   「ちょっと寄り道」  その4

今回と次回のテーマは「道迷い」。
 なぜ山では迷いやすいのか?それは、現在地を確認する情報が極めて少ないからです。杉並区内で迷う人はいないと思いますが、これは住居表示や目標となる建物等が多いからです。「道迷い」は毎年警察庁が発表する山岳事故データで、遭難事故の原因の第一位です。登山者の認識として「正規のルートを外れた」「現在地が分からない」というのが「道に迷った」ということであり、その認識がないのは論外。まず、事前の地図読みについて。当然のことだがリーダーだけでなく、メンバー全員が十分な事前の地図読みをしていることが前提となる。「リーダー任せ」のメンバーは、当該山行への参加資格はない、「お帰りはあちらです」ということになる。

事前の地図読みの目的は道迷いをせず安全な山行をするためだが、具体的には、

 ① ルートの三次元的要素を把握する
 ② ルートの時間的感覚を掴む
 ③ ルート上のチェックポイント(以下、「CP」。)を確認する
 ④ エスケープルートを確認する
 ⑤ 危険個所を把握する

等がある。以下、もう少し詳しく説明すると、

 ①ルートの三次元的要素の把握とは、スタートから、各CP間の方向、高低差、距離を

  イメージ(メモ)すること。(例、CP1~CP2:方位○度、+ ○m、直線距離○m)
 ②は、各CP間の歩行時間と各CPの経過時間をメモしておくこと。

  (例、CP3 ~CP4:○分、CP4まで延べ○分)
 ③は、昭文社の山地図やガイドブック、地形図の情報からより多くのCPを設定すること。

  より多くのCPを設定しておくことが、迷った際、直前のCPに戻るための体力、

  時間のロスを軽減できる。CPの設定にあたっては、ルート上のより確度の高いポイントを

  選ぶことが重要となる。

 (例、人造物:山小屋、道標、橋梁、ダム、高圧線、鉄塔等、交差:道路、川、線路等)
 ④は、極力安全なエスケープルート(昭文社の実線ルート)を複数想定しておく。
 ⑤は、所謂リスクマネジメント。
蛇足は万年筆。お薦めはウォーターマン、インク(ボトル)は、モンブラン。万年筆を
お求めの際は、必ずキャップがねじ回し式を。毎日使えば分かります。

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